物語
あれ、この場所、映画で見た気がする。『K-POP デーモンハンターズ』を見て最初に思ったのは、意外にもそれだった。ソウルってこんなに綺麗だったっけ。
見る前は、ただの華やかなアイドルアニメだと思っていた。HUNTR/Xのルミ、ミラ、ゾーイがステージの上では世界的なスターで、ステージの外では人間の魂を狙う悪魔を止めるハンターだという二重生活の設定、ここまでは想定の範囲内だった。
でもルミ側の秘密は思っていたよりずっと重い。ルミは伝説のハンターの母と悪魔の父の間に生まれた半悪魔だという事実を、チームメンバーにさえ隠している。華やかなステージの裏でこのアイデンティティを隠さなければならない重さこそ、この映画が思った以上に真剣に描かれている理由だ。
ライバルのボーイズグループ、サジャ・ボーイズがデビューして音楽対決が本格化するんだけど、リーダーのジヌも軽くない秘密を抱えている。実はジヌ、何百年も前にグィマと取引をして悪魔になった音楽家だったことが明かされる。
ルミとジヌの関係が単純なライバル構図で終わらないのも、ここが理由だ。それぞれ違うステージに立つ二人が思いがけない形で絡み合いながら、魂門(ホンムン)をめぐる亀裂が少しずつ明らかになっていく。

광화문(서울 종로구) — 서울을 상징하는 대표 랜드마크 · Wikimedia Commons
チーム内の対立も軽くない。「Takedown」をめぐる葛藤が最高潮に達し、ルミはついに人間と悪魔、両方の本性を受け入れなければならない決定的な瞬間を迎える。
最後の公演では、ファンの力が思いがけない形で物語を締めくくるという。ルミが黄金の魂門を正確にどうやって開くのかは、ここではあえて語らないでおく。それは自分の目で見たほうがいい。
その代わり、この映画が現実でも面白いのはここだ。劇中の架空グループの曲「Golden」が実際にビルボードHot100で8週連続1位を記録し、グラミー賞にまでノミネートされたということ。アニメの中の架空グループの曲が現実のチャートをそのまま制覇する、珍しい事例だという。
さらに、ルミ、ミラ、ゾーイの本当の歌声を担当したEJAE、オードリー・ヌナ、レイ・アミがジミー・キンメル・ライブやSNLといった番組にHUNTR/Xとして直接出演したという。ファンの間で「この三人こそ本物のHUNTR/X」という声が出るのも頷ける。
いつも見ている南山も、明洞も、北村も、映画の中に入ると少し違う街みたいに見えた。

동대문디자인플라자(DDP) 야경 — 서울의 미래적 스카이라인을 대표하는 건축물 · Wikimedia Commons
特にサジャ・ボーイズが「Soda Pop」を歌う明洞。ただの雰囲気だけ参考にしたのかと思ったら、明洞芸術劇場前の床の丸い模様まで実際の場所からそのまま持ってきていたらしい。これを知ると、つい通りすがりに床を見てしまいそう。
ルミとジヌが出会う韓屋の屋根は北村、ジヌの過去に出てくる宮殿は景福宮がモデルだという。普段は観光客が多くてさっと通り過ぎるだけの場所なのに、映画を見た後だと韓屋の屋根が少し綺麗に見えるから不思議。
そして私が一番気になったのが、ハントリックスが住んでいるあの高いビル。調べてみると、映画の中の位置はロッテワールドタワーの場所だという。制作陣もロッテタワーからアイデアを得たけれど、そのまま使うのではなく、ハントリックス専用のタワーを新しく作ったらしい。しかも本物のロッテワールドタワーより高い。
ソウルも適当に描いたわけじゃなかった。制作陣が実際のソウルの衛星データを基に地形から作り、その上に映画の中の建物を乗せたという。だからアニメーションなのに「ここ、どこか分かる気がする」という感覚がずっと続いたのかもしれない。
最後のステージがあった南山ソウルタワーも実際に行ける場所。もちろんタワーの下に映画のような巨大な公演会場はない。それでもこの映画を見た後に南山に登ったら、前とは少し違う気がする。「ルミは本当に人間と悪魔、両方の本性を抱きしめられたんだろうか」なんて考えながら。
「ジヌは救われるに値するのか」という問いも、ファンの間で今も熱く議論されているという。この映画を見てソウルに行くなら、新しい観光地を探す必要はないかもしれない。もともと知っているソウルの中から、映画の中のソウルを一つずつ見つけていくこと。そっちのほうが楽しそう。
この場面の実際の場所
代表ロケ地TOP5
COEX K-POPスクエア
体験施設
ソウル薬令市(K-Medi Center)
体験施設
Nソウルタワー
関連
北村韓屋村
関連
清潭大橋
関連
登場人物とキャスト(15名中8名)
人物の関係や物語の詳細は地図画面で確認できます。
KPop Demon Hunters(ケイポップ・デーモン・ハンターズ)のすべての場所(12か所)
Nソウルタワー
南山の頂にそびえる展望タワー。サジャ・ボーイズが「Your Idol」を歌う架空のスタジアムが、まさにこのタワーの下に設定されている。監督自身が「ハーメルンの笛吹きが地獄へ導くような場面」と表現した、作品でもっとも象徴的なシーンの背景。
北村韓屋村
伝統韓屋が密集する路地で、劇中のルーフトップ(屋上)デュエットシーンの背景モデルとしてよく挙げられる場所。韓国的な伝統美とハンターの系譜を表現したシーンの原型になった。
清潭大橋
漢江に架かる橋で、列車の上で繰り広げられる「Takedown」の戦闘シーンのモデルになった場所。
漢江(蚕室周辺)
ソウルを横切る大河で、特に蚕室区間は、スーパースターとしての重圧と悪魔狩りという二重生活からひととき解放されるキャラクターたちの静かなシーンのモデルになった。広い散策路と自転車道、川面に映る夜景が特徴。
景福宮
朝鮮王朝の正宮で、宮殿と伝統美を強調したシーンのモデルになったソウルを代表する古宮。
駱山公園
旧漢陽都城の城郭が残る公園で、夜景と城郭をつなぐ動線シーンの背景モデルになった。
ソウルオリンピック主競技場
大型コンサートがよく開かれる総合競技場で、劇中の大規模ライブのイメージのモデルになった場所。
明洞
ソウルを代表する繁華街で、K-popとショッピング、ストリートのエネルギーを表現したシーンの背景モデル。
COEX K-POPスクエア
巨大メディアウォールとK-popファンイベントが開かれる江南の商業空間で、ファンダム体験コンテンツのモデルになった。
国立中央博物館
韓国最大規模の博物館で、伝統遺物と文化モチーフの拡張の素材になった場所。
ソウル薬令市(K-Medi Center)
伝統的な韓方薬材の市場で、伝統文化体験コンテンツの背景モデルになった場所。
蚕室・江南
大型公演場とファン向け商圏が密集する地域で、公演・ファンダム消費の動線のモデルになった場所。